
青山美智子さんの
「いつもの木曜日」についてまとめます!
この本を読んだきっかけ
「木曜日にはココアを」が好きなので、そのスピンオフ作品ということで、読みたいと思いました。
こんな人にオススメ
- 「木曜日にはココアを」が好きな人
- 心温まるヒューマンドラマが好きな人
- 何となく日々の生活に疲れたり、虚しさを感じている人
- 絵本のようなイラストやデザインが綺麗な本を読みたい人
- 青山美智子さんのファンの人
「いつもの木曜日」あらすじ
2021年、2022年本屋大賞2位受賞作家・青山美智子さんが贈る『木曜日にはココアを』に繋がる温かな物語。累計26万部を突破した『木曜日にはココアを』。その12編の物語に登場したワタル、朝美、えな、泰子、理沙、美佐子、優、ラルフ、シンディ、アツコ、メアリー、そしてマコ。これは彼、彼女たちがあの日に出会う前の物語。そんな前日譚を田中達也さんが作ったミニチュアとともに読む、絵本のような小説です。カップにココアが注がれるその瞬間を味わってください。
出版社より引用
本の構成
「木曜日にはココアを」と同じように、この本も全12編からなっています。
あらすじの説明にある通り、「木曜日にはココアを」に登場した12人が各章の主人公で、
それプラス、冒頭にマーブル・カフェのマスターのひとりごとが載っています。
各章には物語に関係する「色」の名前がそれぞれ付けられています。
例えば、第1章は「1杯目 ワタル(カフェ店員)Brown/tokyo」というような感じです。
1章と書かずに、1杯目としているのがまたいいですよね。
12人のミニチュアフィギュアの絵も描かれています。
最初の目次を見るだけでも、ワクワクしますよ。
この本の注目すべき点!
「木曜日にはココアを」の前の話が読める!
前日譚なので、当たり前ですが…(笑)
あまり詳しく説明するとネタバレになるのでやめておきますが、
「木曜日にはココアを」で新婚旅行に行っている理沙とひろゆきの話は、まだ婚約中の時の話です。
そして、理沙とひろゆきがシドニーへの新婚旅行中に出会う美佐子の話は、シドニーへの旅行の前日の話です。
それぞれの章にテーマカラーがあって、とにかくキレイ!
それぞれの章に「色」の名前が付けられているのは紹介しましたが、もちろんその色も物語に関わっています。
例えば、黄色の積み木が出てくる物語であったり、ピンク色の入浴剤が出てくる物語であったり、という風にです。
そして、その色を使ったイラストがページ全体に描かれています。
私は個人的に緑とオレンジが好きなので、その色のページは見ていてとても癒されました。
心に残ったフレーズ
青山美智子さんの本は、どれも心に沁みる言葉がたくさん散りばめられています。
この本でも、そんな言葉にたくさん出会いました。
いくつかご紹介します!
「楽しいこと」より「楽しみなこと」がたくさんあるほうが、人生は幸せなんじゃないかと思う。
p4 マスターの言葉
(中略) まだ起きていないことを「楽しみだなぁ」って思える想像力が、未来を創っていくものだと思う。
この言葉は「確かに!」と思いました。
楽しいと感じている時間はもちろん楽しくて幸せを感じるけど、楽しみだなぁってウキウキワクワクしている時間は、
それよりもっと幸せを感じる時間かもしれないですね。
柔軟であること。そして冷静であることだね。
p63 ラルフさんの言葉
これは私の人生の課題ですね(笑)
柔軟な考えが苦手で、しかも冷静でいられない時もしばしばあります…。
いい歳したおばさんなので、いい加減、柔軟さと冷静さを身に付けないとダメですよね…。
「わたし」と「体」は別の生き物だと思っている。
p74 アツコの言葉
(中略)わたしの意志とは別のところで、体は好きなように生きている。
この考え方は、新鮮でした。
お腹が空くのも、眠くなるのも、髪や爪が伸びるのも、体が勝手にそうしてるだけで、
「わたし」はその「体」の要求に応えている、という考えです。
なんだかものすごく面白い考えだと思いませんか?
体の要求にもう少し耳を傾けてみようかな〜って思いました。
他にももっとたくさんいい言葉が出てきますので、ぜひ読んでみて下さいね。
感想
大人向けの絵本のような感じで、本全体が本当に綺麗です。
一時期、パーソナルカラーに凝ったこともあり、いろんな色を見ることが好きなので、
この本のデザインはすごく素敵だな、と思いました。
色が心を癒してくれることもあり、好きな色のページは、見てるだけでうっとりしました。
ミニチュア写真家の田中達也さんのミニチュアも、相変わらず可愛らしいです。
物語も12章全てが印象的ですが、特に好きなのはラルフさんの物語です。
ラルフさんの柔軟さと冷静さが、本当に羨ましい(笑)
一番共感したのは、真面目だけど、柔軟性のない幼稚園教諭の泰子の話です。
自分のことを真面目というわけではありませんが…、ちょっと自分と似たタイプの人かも、と思いました。
青山美智子さんの本は、日常のふとした幸せみたいなものを感じられる物語ばかりで、
心に沁みる言葉もたくさんあり、読むたびに大好きになっていきます。
著者紹介
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。続編『月曜日の抹茶カフェ』が第1回けんご大賞、『猫のお告げは樹の下で』が第13回天竜文学賞を受賞。(いずれも宝島社)『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)が2021年本屋大賞2位。『赤と青とエスキース』(PHP研究所)が2022年本屋大賞2位。他の著書に『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』(ともに宝島社)、『マイ・プレゼント』(U-kuとの共著・PHP研究所)など。
出版社より引用
ミニチュア写真家 田中達也さんのプロフィール
ミニチュア写真家・見立て作家。1981年熊本生まれ。2011年、ミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立てたアート「MINIATURE CALENDAR」を開始。以後毎日作品をインターネット上で発表し続けている。国内外で、「MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界」を開催。主な仕事に、2017年NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバック、2020年ドバイ国際博覧会 日本館展示クリエーターとして参画、など。Instagramのフォロワーは360万人を超える(2022年7月現在)。著書に『MINIATURELIFE』シリーズ(水曜社)、『SMALL WONDERS』(Nippan Ips)、『MINIATURETRIP IN JAPAN』(小学館)、『くみたて』(福音館書店)など。
出版社より引用
まとめ
この本は図書館で借りましたが、手元にずっと置いておきたいなぁ、と思いました。
すっかり青山美智子さんのファンになってきました。
また、11/7には、「月の立つ林で」という新刊が発売されるそうです!!
そちらも絶対読みたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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