こんにちは、むし子です!
「祈りのカルテ 再会のセラピー」
について、まとめていきます!


この本を読んだきっかけ

前作「祈りのカルテ」を読んで、とても良かったので、続編も読みたいと思いました。

また、ドラマにはこちらの続編に登場する人物も出てくるようなので、

チェックしておかなきゃ!と思いました。

 

前作「祈りのカルテ」の記事はこちら↓↓

https://www.mushikoblog.com/inorino-carte/

こんな人にオススメ

  • 医療系のミステリーが好きな人
  • 知念実希人さんのファンの人
  • 医師を目指してる人&研修医の人
  • ミステリーも好きだけど、感動する話も好きな人

あらすじ

出版社によるあらすじ紹介


感涙必至の連作医療ミステリ!

研修を経て、循環器内科医となった諏訪野良太は、学会発表を終えた帰り、医学生時代の同級生である小鳥遊に遭遇する。小鳥遊が連れていた研修医・鴻ノ池に、研修のエピソードを求められた諏訪野の脳裏に蘇るのは、親身に寄り添ってきた患者たちのこと。まるで戦場のような救急部、心の傷と向き合う形成外科、かけがえのない“ある人”との出会いと別れを経験した緩和ケア科。切なくもあたたかな記憶の扉がいま開く。心震える医療ミステリ「祈りのカルテ」シリーズ、待望の新刊!

出版社より引用

あらすじを詳しく見ていきましょう!!

あらすじを詳しく紹介!

プロローグ

諏訪野は学会での発表を終えた後、

医学生時代の同級生である小鳥遊優たかなしゆうが、女性研修医を連れているのを偶然発見し、

小鳥遊と女性研修医の鴻ノ池舞と飲みに行くことになった。

鴻ノ池から研修時代の面白い経験を聞かせてほしい、と言われ、過去の記憶を思い出す。

という導入から始まり、この後に、諏訪野が研修医の時の話が3つ続きます。


救急夜噺

・患者名:秋田竜也あきたたつや(56歳、男性)

・入院診療科:救命救急部 (諏訪野の指導医:柚木慧ゆずきけい

・入院理由:路上で倒れて助けを求めているのを通行人が救急要請した

秋田は前年に一度、軽い胃腸炎で救急車を呼び、

治療後も「入院させろ!」とごねたことがあり、

その時に対応した医師の一人が諏訪野だった。

急性アルコール中毒による意識障害と思われ処置するが、突如秋田の体が痙攣し始めた。

諏訪野と指導医の柚木は、なぜ秋田が痙攣を起こしたのか、秋田が何かの病気でないかを探る。

秋田の体には、両肩から胸元にかけて龍の刺青が彫ってあり、

薬物をやっている可能性も考える。

諏訪野は秋田と話をして持病がないかを聞き出そうとするが、

秋田は、とにかく入院させろと、やけにまた入院にこだわる様子。

薬物を使用していないか確かめるために、なんとか尿検査を受けることには同意してもらうが、

尿検査をした後、またしても秋田が気を失ってしまう。

秋田はなぜ入院にこだわるのか、そしてなぜ気を失ったのか、真相は。


割れた鏡

・患者名:月村空良つきむらそら(25歳、女性)

・入院診療科:形成外科 (諏訪野の指導医:三上翔馬みかみしょうま

・入院理由:あご辺りのフェイスラインを細くする美容形成手術を受けたいと希望している

空良は連ドラに出演経験もある女優だが、大きな美容手術を7回、

ボトックスやヒアルロン酸注入などを合わせると、数え切れないほどの処置を受けている。

前のクリニックで、これ以上の手術は難しいと言われ、紹介されてきた。

三上がその手術はリスクが大きいことや、もしリスクを取って手術に成功しても、

美しくなるかは分からない、ということを説明するが、彼女は手術しろと主張を曲げない。

三上は、彼女が「重度の醜形恐怖症」であると言う。

自分の顔が醜いという想いに囚われる精神症状であり、

その患者は何度も美容形成手術を繰り返す人が多いと言う。

空良と、芸能事務所の社長である国松に、なんとか手術をしてほしいと頼まれ、

精神科の診療を受けることを条件として、三上は手術を受けたのだった。

空良には双子ユニットとしてデビューした妹の海未うみがいるが、

空良が過去に起こしたスキャンダルなどが原因となり、

二人の仲は修復できないほど悪くなってしまっていた。

ある日、海未が空良を訪ねてきたところに諏訪野は遭遇し、

海未も手術をやめてほしいと思っていることを知る。

空良がそこまで顔を変えることにこだわる理由は何なのか。


二十五年目の再会

・患者名:広瀬秀太ひろせしゅうた(男性)

・入院診療科:緩和ケア科 (諏訪野の指導医 窪啓太郎)

・入院理由:悪性中皮腫(肺を包む胸膜から生じた癌)

広瀬は元々救急部の常連で、たびたび救急外来を受診しており、

諏訪野を見かけては、「良太先生」と話し掛けてくるのだった。

「体には気を付けるんだぞ」などと、諏訪野の体調を気遣うようなことをいつも言ってくれる。

広瀬に残された時間は、あと2〜3週間しかない。

広瀬には小さい頃からずっと会っていないという子供がおり、

諏訪野は最後になんとか二人を会わせたいと考える。

けれども、広瀬は実は自分が25年前に強盗の罪で逮捕され、

7年の懲役を食らった犯罪者だと諏訪野に告白する。

そのため、子供と会うのは気が進まないようだった。

ただ、その強盗の犯罪は、本当は冤罪であると広瀬は言う。

諏訪野は、広瀬が冤罪であったことをなんとか突きとめようとする。

果たして、広瀬は本当に冤罪なのか、そして自分の子供と会うことはできるのか…。


この本の注目すべき点!

知念さんの他作品の人物が登場する!

私は「祈りのカルテ」シリーズしか読んでいないのですが、

この本には、「天久鷹央シリーズ」に出てくる小鳥遊や鴻ノ池が、

エピローグとプロローグ、章と章の間(幕間)に登場します。

また、刑事の桜井公康も第3章に登場します。

さらには第2章で、「改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ」の柊の名前も登場します。

知念さんのファンの方は、盛り上がるのではないでしょうか。

また、諏訪野が他の本に登場することもあるみたいなので、

いろんなリンクを探すのも楽しそうですね。

そういえば、前に読んだ「ひとつむぎの手」に、諏訪野が出てきたことを思い出しました。


心に残ったフレーズ

「救急医の使命は、ここに運び込まれた患者の命を全身全霊で繫ぎとめること。

それ以外のことに余計な労力は使わず、力をためておく。

ここは戦場、…命が交錯する場所だから。」

P33 救急医 柚木の言葉

「命が交錯する場所」という表現が、深いですよね。

毎日、戦場のような場所で、人の命を救う仕事をしている医師の皆さんは、

改めてすごいなぁ、と思いました。

医師の皆さんだけでなく、看護師の皆さんや、医療に携わる人たちを本当に尊敬します。


「『死』を迎える瞬間は、誕生の瞬間と同じくらいに、その人物にとって厳粛で、最も大切な時間だ。

その瞬間をもって、人生は完成する。」

p164 緩和ケア科 窪の言葉

この窪先生の言葉も、すごく深いなぁ、と思いました。

誕生した瞬間と同じくらい死の瞬間が大切か…。

誕生の瞬間は自分ではあまり意識がないけど、死は意識がある状態から向かって行くから、

ある意味、誕生よりも大切な瞬間かもしれない、と感じました。

もちろん、誕生しなければ死もないわけで、どちらが大切だとは言えないですが…。


感想

今回も前作に引き続き、諏訪野先生、大活躍でした!

第3章では警察も顔負けの活躍っぷりで、もう探偵として活動できるんじゃないか、

と思うくらいでした(笑)

続編ということで、諏訪野先生が初期臨床研修を終えてからの話かと想像していたのですが、

この本もまだ初期研修を受けている頃の話でした。

ただプロローグで、何年後かの諏訪野が出てきて、学会で発表したという記述があったので、

医師として着々とキャリアを積んでいるのだろうな、と想像することができました。

また続編として、初期研修を終えた後の話も読みたいと思いました。

「祈りのカルテ」シリーズ、これからもどんどん展開してほしいですね。

第3章は緩和ケア科の話でしたが、とても興味深かったです。

もし将来、自分がガンにかかったとしたら、緩和ケア科のお世話になりたい、と思いました。

また、大切な人がかかった時にも、選択肢として考えたい、とも思いました。


著者紹介

1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。内科医。2004年から医師として勤務。11年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、12年、『誰がための刃 レゾンデートル』(のちに『レゾンデートル』と改題し文庫化)で作家デビュー。15年、『仮面病棟』が啓文堂書店文庫大賞を受賞。18年より『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi』『硝子の塔の殺人』で本屋大賞にノミネート。他の主なシリーズ・作品に「天久鷹央」シリーズ、「神酒クリニック」シリーズ、『傷痕のメッセージ』『真夜中のマリオネット』など。


出版社より引用



まとめ

10/8に始まるドラマ『祈りのカルテ〜研修医の謎解き診察記録〜』の原作について書きました。

こちらの「再会のセラピー」もドラマでは扱われるようなので、

ドラマが始まる前に読めてよかったです!

この本でたびたび登場した広瀬ですが、原田泰造さんが演じられるようですね。

かなり重要な役どころなので、演技に期待したいです!

ドラマが始まる前に、原作を読んでみようかな〜と思っている方、

前作の「祈りのカルテ」とあわせて、ぜひ読んでみて下さい!