宇野碧さんの「レペゼン母」について詳しくまとめます!

この本を読んだきっかけ

Twitterで見かけて、「何?めっちゃ面白そう!!」と思ったのがきっかけです。 ラップするおかん、興味がわかないわけないですよね(笑)

こんな人にオススメ

世界の母親全員!! ヒップホップラップが好きな人 母と息子の話が好きな人 親子の関係について考えたい人 ・本を読んで、笑ったり泣いたりしたい人

「レペゼン母」あらすじ

マイクを握れ、わが子と戦え! 山間の町で穏やかに暮らす深見明子。
女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。
そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。
「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」
明子はマイクを握り立ち上がる――! 『晴れ、時々くらげを呼ぶ』『檸檬先生』などで最注目の新人賞から、今年も文芸界のニュースターが誕生!
第16回小説現代長編新人賞受賞作。 出版社より引用

「レペゼン」とは、英語のrepresentに由来していて、
代表する、象徴する」を意味するヒップホップ用語です。
つまり、「レペゼン母」は「母代表」という意味ですね!

この本のテーマ

『ラップ✖️おかん』という斬新な設定!!

もう読む前から、ワクワクしませんか?この設定! 関西のおかんがラップするって、どんなのよ?ですよね。
皆さん、ヒップホップとラップの違い、わかりますか?
この本を読んで、ヒップホップとラップの違いについて、ちょっと調べてみました。
「ヒップホップ」は、1960年代後半から1970年代にアメリカのニューヨークブロンクス区で発生した黒人ストリート文化を指す語です。
そのヒップホップ文化から生まれた音楽を「ヒップホップミュージック」と言います
「ラップ」 とは、ブラックミュージックにおける歌唱法の一つで、メロディよりもリズムを重視した歌唱法です。
「ヒップホップミュージック」に合わせて「ラップ」が行われます
日本では、「ヒップホップ」と「ラップ」が同じ意味で使われている気がしますが、厳密にはこのような違いがあるようです。
ラップバトルは、即興のラップで相手をディスり合う、つまり罵倒し合う大会です。
そして、この作品では、ヒップホップやラップに関するうんちくなども聞けて、勉強になることもありました。

ラップに乗せた母と息子の想い

明子と息子の雄大のラップバトルが実現するのかは、この本を読んで確かめていただきたいのですが、明子と雄大それぞれのラップをしっかり堪能することができます。
あらすじの補足をすると、雄大は2回の離婚歴があり、3年前に失踪しています。
失踪している息子がラップバトルに出ることを知ったからといって、明子が私も出るって急に出ることを決めたわけではありません。
それまでにいろんな経緯があって、最終的に、息子が出るラップバトルに自分も出る決意をするのです。
その辺の経緯や事情をわかって2人のラップを聞くと、より感動します。
もちろん、この2人以外の出場者のラップもたくさん聞けて、個性があっていいですよ。

印象に残ったフレーズ

印象に残ったフレーズを2つ紹介します!

「こんなに金と時間と労力がかかって、別になんも得するわけちゃう。これが一部の物好きがやる趣味とかやなくて、多くの人が当たり前みたいな顔でやってることなんてな」 p54 明子の言葉
明子が子育てについて語る言葉ですが、もうほんとに共感しかない…。
なんも得するわけちゃう、っていうのは言い過ぎかもしれないけど、ほんとその通りです。
だから、子育てって、この世で1番大変だし尊い仕事だと思うんですよね。 本当に大変!(笑)
「親ってすごく鈍感な生き物だよ。自分の言動が子供にどんなに消えないインパクトを与えるか、わかろうとしない」 p171 沙羅の言葉
これは親の立場で読んでると、ドキッとする言葉ですね。
自分も子供だったくせに、親になるとどうして子供を傷つけるような言動をしてしまうんでしょうね…。 難しいですよね…。

感想(ネタバレなし)

いやぁー、もう胸熱すぎる!!何これ〜面白すぎる〜!! 読み始めて割とすぐから面白かったけど、最高に面白いー!

予想以上、期待以上!!

Twitterでもベタ褒めの興奮ツイートをしてしまいました(笑) 
全母に読んでほしい!って。
そしたら、今までの読了ツイートで1番反響が大きかったです。
私のツイートを見て、本を買ったっていうフォロワーさんや、さっそく図書館で借りたってフォロワーさんが何人かいて。
やっぱりこの設定が最強なんでしょう!おかん×ラップ、というパワーワードが!  
第16回小説現代長編新人賞受賞作、とあるように、この作品で宇野碧さんはデビューされたんですよ。
これ、本当に新人なの?と思いました。
ずっと執筆活動はしてたのかもしれないですけど、新人とは思えない貫禄があるように感じました。
いや、それって、おかんの貫禄がすごいからか?(笑)
本のタイトル、「レペゼンおかん」でもよかったんちゃう?と思っちゃいました(笑)
「母」より「おかん」の方が、なんかワクワクしません?

すみません、この作品読んで「バイブス上がっちゃいました!」

ヒップホップ用語を使って感想書きたくなるくらいの熱量で読み終えたので、変にテンション上がってます…。 「バイブス」=「テンション」です。  
これ、本屋大賞にノミネートされてもよかったんじゃない?と思ったんですが、新人さんがいきなりノミネートはなかなか難しいですかね…。
著者の宇野さんは、ラップバトルでは女性ラッパーが男性ラッパーから攻撃されることが多くて、どういう女性なら勝てるだろうか…と考えた時に、「関西のおかん」なら勝てるんじゃないか?と考えたそうです。
それからヒップホップ文化について調べたり、ラップバトルをたくさん聴いたりしたそうです。
私はヒップホップもラップもほぼ聴かないし、むしろ苦手ジャンルだったんですが…、この作品を読んでちょっとイメージ変わりました。
私もラップやってみたくなりました! よくダジャレ言ってるし、口が達者だから、向いてるかもしれない(笑) 「読書家おかんラッパーむし子」なんてどうでしょう?(冗談です…笑)
ラップバトルって即興でうまいこと言わないといけないんですよね。かなり難しそう。
基本的にディスるみたいなので、ディスらないラップバトルがあれば聴きたいかもしれない。
梅農園で働く沙羅の影響でラップを始めることになった明子ですが、めちゃくちゃラップのセンスがあって、すごかったです!キレッキレ!
現実的に考えて、64歳でこんなにラップができるおかんっているんでしょうか?
たぶん相当頭の回転が速い人じゃないと、無理ですね。
それでなくても女性ラッパーって少ないらしいので、明子みたいなおかんラッパーがいたら、めちゃくちゃ注目されるでしょうね。  
明子が沙羅の影響を受けて、周りの人も巻き込んで、ヒップホップにハマっていく過程も面白かったですね。
関西のノリもあるからかテンポもいいし、みんなで漫才してるような感じもあって楽しいです。
沙羅がまたいい子すぎて、明子とのやり取りが微笑ましかったです。
ラップ×おかん、っていう設定はめちゃくちゃ斬新ですけど、描かれているのは母と息子の物語で、あらゆる人に刺さる作品だと思いました。
母親の立場の人は、明子に感情移入して読むだろうけど、雄大の気持ちがわかる部分もあるし、子を持つ男性だったら雄大に感情移入するけど、親としての明子の気持ちもわかるだろうし。
全母にオススメしたいと思ったけど、これは全人類にオススメかもしれない(笑)
母と息子っていうのがまたいいですよね。最近、母と娘について書かれたものが多いですからね〜。
笑って泣いて、怒って、興奮して、テンションいやバイブスが上がる最高の作品です! ぜひぜひ皆さんも読んでみてー!

著者紹介

1983年神戸生まれ。大阪外国語大学外国語学部卒。
放浪生活を経て、現在は和歌山県在住。
2022年、本作で第16回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。
旅、本、食を愛する。 出版社より引用


感想(ネタバレあり)

ここからはネタバレありの感想なので、未読の方は気をつけてくださいね〜。

 
 

最後の明子と雄大のラップバトルの辺り、もう号泣でしたよ(涙)
魂と魂のぶつかり合い、って感じで、お互い一歩も引かない戦いでした。
それまで完全に明子目線で読んでたんですが、雄大の訴えることにもすごく共感して、子供目線で読んでしまいました。
子供ってやっぱり親にちゃんと見てほしいし、ちゃんと話を聞いてほしいし、誰かと比べないでほしいもんなんだなーって。
それと、一緒にご飯を食べること、それも本当に大事。
この作品の前に読んだ「宙ごはん」でも主人公が言ってました。
頭ではわかってても、日々子育てをしてると忘れがちなので、よく覚えておかないと。  
一つ大好きな場面があります。明子が主催者MCにガツンと言い返す場面です。
女性のことをいやらしい言葉や卑劣な言葉でディスるだけのラッパーについて、ガツンと説教するんですが、めちゃくちゃ気持ちよかった!
んなのディスってるんじゃなくて、ただのセクハラモラハラですからね。
実際にはそんなラッパーいないと信じたい。  
沙羅が、感動するバトルとは「対戦相手の立場に立って想像して、相手を理解することが本当の勝負だ」というようなことを言うのを聞いて、明子が雄大が生まれた時からのことを振り返るんですよね。
出産の時や、雄大が初めて言葉らしきものを発した時の描写があるんですが、ヤバかったです…。
もう、自分の出産の時とか、子供が初めて何かした時のこと思い出したら、泣いちゃいますよね。
そういう場面がちょいちょい挟まるのが、この作品は罪ですね(笑) 全母、泣くと思いますよ。え、私が涙もろいだけ?(笑)
私の場合、今小6の息子が初めてニコって笑ってくれた時のこと、今でもつい最近のことのように思い出しますね…(涙)
まだ歯が生えてない時の赤ちゃんの笑顔って、もうリアル天使ですよね。
もう一生この子を守っていこうと思いましたよ。  
雄大が迷子になって見つかった後に叱ってしまったことを悔いる場面も、めちゃくちゃ共感しました。
叱らないで、褒めてあげたり認めてあげたらよかったのに…って悔やむこと、たくさんありますよね。
子育てって、不安や心配がたくさんなんですよ。それが怒りになってしまうこともあるんですよね。 アンガーマネジメントで学びました。
そういう時は、後からでも素直にフォローしたらいいんですけど、一度傷ついた心は取り戻せないんですよね。
だけど、明子はシングルマザーで雄大を育ててきたんですよ。しかも梅農園も経営して。
めちゃくちゃ大変だったと思いますよ。私なら無理だと思いました。
明子と雄大はもう少し早くぶつかり合ってたらよかったのかもしれないですね。
ラップバトルで対決することでしか、お互いにぶつかり合えないくらいすれ違っていたのは寂しい状況だったけど、この後の2人の関係は良くなっていくといいな、と思います。
そして梅農園で一緒に働くことになるであろう雄大の子供も一緒にね。
親と子供って、どんな親子でも、多かれ少なかれ分かり合えていない部分ってあるんだろうな…。
子育ての難しさをひしひしと実感する作品でもありました。

まとめ

宇野碧さんの「レペゼン母」についてまとめました。
私の中では「名刺代わりの小説10選」に入れてもいいくらい、インパクトがあって、大好きな作品になりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!