この本を読んだきっかけ
「木曜日にはココアを」を読んで、とても良かったので、
その続編も読んでみたいと思いました。
こんな人にオススメ
- 「木曜日にはココアを」が好きな人
- ほのぼのしたヒューマンドラマが好きな人
- 連作短編集が好きな人
- 何となく日々の生活に疲れたり、虚しさを感じている人
- 青山美智子さんのファンの人
「月曜日の抹茶カフェ」あらすじ
『木曜日にはココアを』待望の続編!
川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。
その「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日に、一度だけ「抹茶カフェ」を開くことに。ツイていない携帯ショップ店員と愛想のない茶問屋の若旦那、妻を怒らせてしまった夫とランジェリーショップのデザイナー兼店主、恋人に別れを告げたばかりのシンガーと実家の祖母と折り合いが悪い紙芝居師、時代に取り残されたと感じている京都老舗和菓子屋の元女将と自分の名字と同じ名前の京菓子を買いにきたサラリーマン……。
この縁は、きっと宝物になる――。
人は知らず知らずのうちに、誰かの背中を押していることに気づく、
一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ12ヵ月の心癒やされるストーリー。『木曜日にはココアを』のおなじみのメンバーも登場するシリーズ続編です。
出版社より引用
本の構成
この本は、12章から成り立っている連作短編集です。
第1章に登場した人が、次の第2章の主人公になって出てきます。
そしてまた第2章に出てきた人が、第3章の主人公になって…というように、
第12章まで、リレー形式で物語をつないでいく本です。
また、第1章が1月の話、第2章が2月…というように、
1月〜12月までの1年間の物語となっています。
「木曜日にはココアを」は、東京とオーストラリアが舞台となっていましたが、
今回は、東京と京都が舞台となっています。
この本の注目すべき点!
「木曜日にはココアを」の人物がたくさん登場する!
「木曜日にはココアを」に出てきた人物がたくさん出てきましたね〜。
続編なので、当たり前と言えば当たり前ですが…(笑)
ココアさんとワタルくんはもちろんのこと、
シドニーに新婚旅行に行っていたひろゆきと理沙、ランジェリーショップの店主である尋子、
マスターのビジネスパートナーであるオーストラリア人のマークと、その妻のアツコ、
マスターが絵を展示しているテルヤと妻の朝美、その子供の拓海、
といった面々が、この本でも登場しました!
この本では、ひろゆきと理沙が結婚2年目となっているので、
「木曜日にはココアを」の時から、そんなに時間は経っていなそうですね。
でももし、「木曜日にはココアを」の内容を忘れていたとしても、
充分に楽しめるようにはなっていますので、ご安心くださいね〜。
猫が主人公の話がある!
第7章ですが、なんと、人ではなく、猫が主人公になっています。
「あたしは猫。名前はたくさんある。」という、
「我輩は猫である」のような書き出しで始まります。
この猫さん、なかなか深いことをたくさん言うんですよ。
人間よりも人生を達観しているような、猫さんでした。
この本のテーマ
この本のテーマは「縁」です。
「縁」についてのセリフがたくさん出てきます。
そのセリフを少し紹介します。
どんな出会いも、顔もわからない人たちが脈々と繋いできた手と手の先なんだよ
p180 マスターの言葉
縁って、実はとても脆弱なものだと思うんです。
p213 ココアさんの言葉
どちらかが一度でもぞんざいな扱いをしたら、あっけなくちぎれてしまうぐらいに。
人生の中で、出会った人や物は、全て縁があったっていうことなのかなぁ、って思いました。
一度しか会わなかった人でも、一度しか会えなかったんじゃなくて、
一度だけでも会えた、っていうことなんですよね。
どんな出会いも決して無駄ではないんだと思います。
私は、青山美智子さんの本と出会えた「縁」をずっと大切にしたいです。
青山さんの本を読んで、ブログを始めようと思い立ったんですから。
心に残ったフレーズ
この本、心に残るフレーズだらけなんです!
上記にも二つ載せましたが、他にもたくさんありました。
どれを載せるか、かなり悩みます。
ノリの良さと運の良さは比例する
p20 マスターの言葉
この本のマスターって、すごく行動力のある人なんですが、
そういう人にこんなこと言われたら、はぁそうだよね…って思っちゃいます。
私はあまりノリ良く行動できないタイプなので、
運もそんなに味方してくれてないのかも、と思ってしまいました…。
思い出って、流れ流れゆく時間を留めておくピンのようなものかもしれませんね。
p38 ヒロコの言葉
だけど留まる場所は人それぞれだから、ピンの位置がちょっとずれちゃったりもするんですよ
うーん、なかなか深い。
思い出って、人それぞれ、自分が覚えたいように覚えてるだけなのかもしれないですね。
同じことを体験しても、人それぞれ捉え方とか考え方って違いますもんね。
望み通り想定したままのことを手に入れたとしても、
p178 マスターの言葉
それだけじゃ夢が叶ったとは言えないんだよ。
そんなふうに、どんどん自分の予想を超えた展開になって、
それをちゃんとモノにしていくっていうのが、
本当に夢を実現するってことなんじゃないかな
マスター、名言ばっかりです。
想定したままのことを手に入れるだけでも、充分難しいと思うんですけど…、
それだけで満足してたらダメなんでしょうか…(笑)
でも、歳をとっても、小さくても夢は持っていたいですよね。
感想
12章、どれも良かったですね〜。
特に気に入ったのは、第5章と第8章です。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが…、
第5章は、おばあちゃんに育てられた光都という女性の話なんですが、とても感動しました。
おばあちゃんが厳しくて、全然認めてくれなくて、
おばあちゃんから離れたくて、京都から東京に出た女性の話ですが、
これは自分の母娘関係にも当てはまる人が多いのではないかと思います。
第8章は、古本屋を営む男性の話ですが、これもまた良かったです。
夫婦の関係性がとても素敵でした。
「木曜日にはココアを」と同じように、最初に出てきた人物の恋愛面も気になるところです。
連作短編集って面白いですよね。
あの人とあの人がこうつながっているのか〜と思いながら読むのが、楽しいです。
青山美智子さんの本は、本当にほっこりするし、心が温かくなるので、
たくさんの人に読んでもらいたいなぁ、って思います。
本のカバーがまた素敵ですよね。
ミニチュア写真家の田中達也さんのデザインが、本の世界観に合っていて、
カバーを見ているだけでも、癒されます。
著者紹介
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。続編『月曜日の抹茶カフェ』が第1回けんご大賞、『猫のお告げは樹の下で』が第13回天竜文学賞を受賞。(いずれも宝島社)『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)が2021年本屋大賞2位。『赤と青とエスキース』(PHP研究所)が2022年本屋大賞2位。他の著書に『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』(ともに宝島社)、『マイ・プレゼント』(U-kuとの共著・PHP研究所)など。
出版社より引用
まだ全作品読めていませんが、これから全制覇したいです。
まとめ
青山美智子さんの「月曜日の抹茶カフェ」について、まとめました!
8/26には、「木曜日にはココアを」のスピンオフ的な本である
「いつもの木曜日」が発売されたので、そちらも読みたいと思っています。
青山美智子さんの本をまだ読んだことがないという方は、
「月曜日の抹茶カフェ」と「木曜日にはココアを」を、
ぜひセットで読んでみてはいかがでしょうか!
コメント