本のむし子

40代主婦の読書日記ブログです。読んだ本の感想などを気ままに書いていきます。

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こんにちは!

椎野直弥さんの「僕は上手にしゃべれない」について詳しくまとめます!



この本を読んだきっかけ

Twitterの読書アカウントで、いつもやり取りさせてもらってるフォロワーさんのおすすめ本です。
児童書ですが、以前にも見かけたことがあり気になっていたので、読んでみました。


こんな人におすすめ

・小学校高学年~高校生くらいの人 ・吃音について知りたい人 ・周りに吃音症の人がいる人


「僕は上手にしゃべれない」あらすじ

吃音の悩みを抱え中学生になった悠太。思い切って入部した放送部にいたのは同じクラスの女子で…。
葛藤と成長の、胸打つ青春物語。 小学校の頃から吃音に悩んできた主人公・柏崎悠太は、中学入学式の日、自己紹介のプレッシャーに耐えられず、教室から逃げ出してしまう。
なんとかしたい思いから、「誰でも上手に声が出せるようになります」という部活勧誘チラシの言葉にひかれ、放送部に入部する。
クラスメイトで同じ新入部員女子や、優しい先輩、姉など周囲の人に助けられ、途中くじけながらも少しずつ変わっていく悠太の、葛藤と成長の物語。 出版社より引用


著者の思い

著者の椎野直弥さんは、この作品について、次のような思いで書かれました!

この話を書くときに、物語として面白いのはもちろん、それ以外にも吃音を知らない人が読んだときに、吃音のことひいては吃音者の思いを理解できるものにしたいなという考えがありました。
吃音に悩んでいる人が、この人にだけは吃音を理解してほしいと思ったとき、説明に費やす多くの言葉の代わりに、この物語がなれたらという思いで書きました。
「俺(私)、この本の主人公と同じなんだ」という一言だけで、すべてを伝えられる物語にできたら。
だから必然的に、主人公は吃音者になりました。
そして彼の年齢は、僕が一番吃音について思い悩んだ時期である中学生にしました。
でもこれは、作者である僕の物語じゃありません。
他の誰でもない、吃音に悩み、立ち向かった一人の少年の本気を、物語にしたつもりです。


この本のテーマ

吃音に悩む少年の成長物語

吃音について知らない人もいるかもしれないので、少し説明します!

吃音」とは… 話す時に最初の一音に詰まってしまうなど、言葉が滑らかに出てこない発話障害の1つ。主な症状には3つあります。
  • 「ここここ、こんにちは」と言葉のはじめの音を繰り返してしまう「連発(れんぱつ)」
  • 「こーーんにちは」と音が伸びてしまう「伸発(しんぱつ)」
  • うまく言葉が出ずに間が空いてしまう「難発(なんぱつ)」
幼児期に発症する「発達性吃音」と、疾患や心的ストレスなどによって発症する「獲得性吃音」に分類され、その9割は発達性吃音であるそうです。
日本には吃音症の人が、約120万人(100人に1人)いると言われています。
主人公の柏崎悠太は吃音に悩む中学一年生です。
あらすじ紹介にもあるように、中学入学式の日、自己紹介のプレッシャーに耐えられず、教室から逃げ出してしまうのですが、「上手に声が出せるようになる」という放送部のチラシを見て入部を決意します。
悠太がどのような成長を見せるのか、ぜひぜひ読んでみて下さい!


感想(ネタバレなし)

一応児童書なんですけどね、大人にもすごくおすすめです! もう涙腺崩壊しましたよ、私。
後半はずっと泣きっぱなしで涙が止まらなくて、泣き疲れて頭が痛くなるほどでした。
吃音のことをよく知らないっていう人たちに、ぜひたくさん読んでほしいな、って本当に思います。
私もよく知っているわけではなかったけど、吃音については知っていましたし、世間的にもみんな知ってるんだろうなって思ってたんですが、吃音への理解はまだまだされていないのでしょうか。
中学の時のクラスメイトにも吃音症の子がいましたけど、誰もからかったりしてなかったし、もちろんいじめもなかったので、中学生くらいになればみんな理解していると思ってたのですが…。
でも、私ももしかしたらそのクラスメイトの子がいたから、吃音について知ったのかもしれないな…なんて思いました。

有名人だと、田中角栄さんとかアメリカ大統領のバイデンさんとかも吃音だって有名ですよね。
私は観ていませんが、「英国王のスピーチ」という映画も、吃音症の英国王の話だったりします。
もっと吃音のことが世の中でも理解されたらいいですよね。  

この物語の悠太のように、学校でからかわれたり、いじめにあったりという辛い学校生活を送っている人がたくさんいます。
また、社会でも、就職活動の面接で上手く話せないからという理由で落とされたり、接客業をやってみたいのにあきらめなければならない人も多いようです。
そして、吃音症といっても、話をさえぎらずに最後まで聞いてほしい人、途中で助け舟を出してほしい人、いろんな考え方があるようです。
「ゆっくり話してね」や「落ち着いてね」などと言うことが逆効果になるそうですね…。
そして、吃音症だからといって、話すことが大好きっていう方もたくさんいるんですよね。
この作品を読んで、吃音について調べたり、吃音症の方のインタビューなどを読んだりしましたが、皆さんおっしゃられていることは、吃音についてもっと知ってほしい、吃音の苦しみを知ってほしい、ということだと感じました。

自殺を考えるほど苦しんでいる人が多い、ということは、私も知りませんでした。
著者の椎野さんも言っていますが、子供時代、特に中学生くらいの子にとっては、毎日の学校生活が辛いというのは、本当に悩むだろうな、と思います。
この物語を読んで、もし吃音を持つ人と接することがあったら、どう接したらいいんだろうか、ということについて考えました。
吃音について変に理解してる風にするのは良くないだろうし、かと言って気付かない風にするのもおかしいだろうし、もう普通に接して普通に会話するのが一番いいのかなって、私は思ったんですが、どうでしょうか…。
吃音症ではない人と話す時もそうですけど、相手の話をよく聞くことって、当たり前のようで実はできてなかったりしますよね。
途中でさえぎってしまったり、変なタイミングで相槌を打ってしまったり、とか。 私なんてせっかちなので、「聞く力」みたいなのが足りてないかもしれないんですけど(汗)、そういうせっかちな人とはしゃべりにくいだろうなと思うので、今後気をつけていかなきゃいけないですね。
吃音に限らず、いろんな個性を持った人が認められる時代になってきたと思うので、どんな個性であっても、まずは理解しようとすることが大切なのかなと思います。

そして、この物語でも主人公の悠太が感じていることですが、どんな人でもそれぞれの悩みを抱えていて、自分だけが辛いんだというわけではないことですね。
悠太を支えてくれている周りの人にもそれぞれ悩みがあって、みんなが支え合って思い合っている姿が素敵でした。
そうやって支えて理解してくれる人が周りにいるなら、どんどん甘えて助けてもらったらいいんじゃないかなぁって思いました。
悠太と周りの人たちの間で、いろんな勘違いや誤解があったけど、理解しようとしてくれる人に対してなら、ぶつかってもいいから、本音を言ったり思ったことを正直に言ったりしてもいいんじゃないかな、と思います。
周りに信頼できる人がいなかったら、困難に立ち向かって行く勇気も得られなかったかもしれないし、悠太は理解してくれる家族や友達・先輩に出会って、世界が変わって、本当によかった。
吃音がテーマではあるけど、何か悩みを抱えている子供たちにも、ぜひ読んでほしい作品だと思いました。


吃音がテーマのおすすめ作品

この作品を読む前に、吃音がテーマの物語を読んだことがありました。
たぶん、知っている方も多いかとは思いますが、すごく心に残る作品だったので、紹介させて下さい。
重松清さんの「きよしこ」と「青い鳥」という作品です。

重松清さんの作品は有名なものがたくさんありますが、この2冊は吃音がテーマになっています。

重松さん自身も吃音症であり、吃音がなければ作家にはなっていなかっただろう、とおっしゃっています。
「きよしこ」は自伝的な作品であり、「青い鳥」は吃音症の先生の話ですが、どちらも吃音を抱える人に圧倒的に支持されている作品だと思います。
重松さんは教師になりたかったけど、吃音があるために諦めたそうで、「青い鳥」の主人公である村内先生は、重松さんのヒーロー的存在として書かれたそうです。
「きよしこ」もよかったのですが、「青い鳥」は号泣してすごく記憶に残る作品だったので、今回の椎野さんの作品を読んで、また再読したいなと思いました。
もし読んだことがなければ、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。


著者紹介

1984年(昭和59年)、北海道北見市生まれ。
札幌市の大学を卒業後、仕事のかたわら小説の執筆を続け、第四回ポプラ社小説新人賞に応募。
最終選考に選ばれた応募作「僕は普通にしゃべれない」を改稿した本作でデビュー。 amazonより引用


まとめ

椎野直弥さんの「僕は上手にしゃべれない」についてまとめました。
吃音について知っている人も、知らない人も、子供でも大人でも、あらゆる人に読んでほしいと思える作品でした。
 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!




「バカの壁」で有名な養老孟司さんの
子どもが心配 人として大事な三つの力」について、まとめます!


この本を読んだきっかけ

時々子育てに関する本も読むのですが、子育て本を検索していた時に見つけて、興味を持ちました。
 

こんな人にオススメ 

    • 子育てに関する本を読みたい人

    • 子供の教育に携わっている人

    • 著者な人の教育論に興味のある人

    • 養老孟司さんの本が好きな人

本の内容

子どもたちの遊び場が次々に消失し、体を使って外で遊ぶ子どもの姿を見なくなった。自殺する子どもも、後を絶たない。子どもは本来「自然」に近い存在だと論じる解剖学者が、都市化が進んだ現代の子どもを心配に思い、四人の識者と真摯に語り合う。

 医療少年院で非行少年の認知能力の低さに愕然とし、子どもの認知能力の向上に努めてきた宮口幸治氏。インターネットで「正しい育児法」を追いかける親を心配する、慶應義塾大学病院の小児科医、高橋孝雄氏。国産初の超電導MRIを開発し、子どもの脳の大規模研究を行なってきた小泉英明氏。生徒が自分で野菜を育て、机や椅子も作る学校、自由学園の高橋和也氏。子どもと本気で向き合ってきた経験から紡ぎ出される教育論。

 (目次より)
●自分に注意を向けると、行動変容が起こる
●少子化で問題なのは、人口が減ることではない
●「いま」の喜びを体感できず、幸福が先送りされてしまう
●何かに「夢中」になることと「依存」は違う
●中学受験の難点とは? 
●子どもは「人材」ではない Etc.

出版社より引用

各章の対談相手

この本は、養老孟司さんと4人の識者が対談するという形式を取っています。

各章の対談相手をご紹介します。

第一章:宮口幸治氏

立命館大学産業社会学部・大学院人間科学研究科教授。医学博士、児童精神科医、臨床心理士。

著者の「ケーキの切れない非行少年たち」がベストセラーとなる。

コグトレという認知機能が弱い人のためのトレーニングの考案者。

医療少年院で勤めていたこともあり、困っている子どもたちを支援している。

第二章:高橋孝雄氏

慶應義塾大学医学部小児科主任教授。医学博士。専門は小児科一般と小児神経。大脳皮質発生、高次脳機能発達、エピジェネティクスなどの研究を行なっている。

第三章:小泉英明氏

日立製作所名誉フェロー。世界初の微量元素の測定手法、国産初の超伝導MRI装置を開発。さらに、fMRI装置や自らが開発した近赤外光トポグラフィ法によって、脳科学と教育や、科学と倫理の問題にまで研究対象を広げてきた。

第四章:高橋和也氏

自由学園学園長。男子部長、副学園長を経て、2016年より現職。

本のサブタイトル「人として大事な三つの力」とは

この本の中での「人として大事な三つの力」とは、以下の3つの力のことです。

・学びのための根本的な能力「認知機能

・「共感する力

・「自分の頭で考える人になる

第一章の宮口氏は「認知機能」について、第二章の高橋氏と第三章の小泉氏は「共感する力」、第四章の高橋氏は「自分の頭で考える力」について、主に語られています。

各章の内容

対談の内容は様々な話題に及んでいるので、特に大事だと思った箇所をピックアップして、まとめたいと思います。

第1章「ケーキが切れない子ども」を変える教育とは

・凶悪事件を犯すような子供たちがどうして犯してしまったのか?→学校の勉強についていけなかったことが大きな原因の一つ

・認知機能が弱い子が放置されていることが多い

・認知機能に問題がある=ケーキを3等分した図が書けなかったり、図形の模写ができないというような「見る力」などに問題があること

・勉強についていけなくなる→学校がおもしろくなくなり、イライラした感情を抱え、友達ができにくい→非行に走ることが多い

・認知機能が弱い子や知的障害を持つ子どもを見逃さないように、子どもが困っていることに気付ける教師をどう育てるかが大きな課題

・認知機能が弱い子は、学校のテストを見ただけでは判断しづらいため、宮口さんは「コグトレ」を考案した

・コグトレは、認知機能を改善するためにも使用されている

・宮口さんは「褒める教育」には疑問を持っており、「褒め方」や褒めるタイミングが大事

・子どもの話を聞く時には、「ちゃんと聞いているよ」というサインを出す

・認知機能が弱いと感情をコントロールするのが難しい→「人の気持ちを言う」練習から始める

・「自分を知る」ことが大切であり、それは人のことを評価する力がつくにつれて、自分を客観的に評価できるようになる

・人が一番幸せを感じるのは、人の役に立つこと

・やる気を引き出すためには「見通し」「目的」「使命感」の三つの要素が必要

・親は「安心安全の土台」と「伴奏者」になることが求められる

第2章 日常の幸せを子どもに与えよ

・親には、本能的に「子どもの心を読み取る力」が備わっている

・少子化で問題なのは、人口が減ることではなくて、少子化に対する違和感や危機感を国民全体で共有することが大切

・インターネットの過剰利用にはどんな弊害があるのか→「無言化」「孤立化」「実体験の減少」の3点

・子どもにとって本当に意味で良い環境とは、何不自由のない暮らしではなく、適度なストレスがある状態である

・相手には相手の事情がある、と慮れる力が、自分自身を幸せにする

・さまざまなストレスがほどよく働くと、遺伝子の発現にリズム感が出てくる→「エピジェネティクス」と呼ばれるシステムが働く

・「正しい育児法」をネット検索に求めていると、「負け続ける育児」につながってしまう

・成熟した大人とは、共感する力のある人

・「自立」とは、最初は肉体的な自立、次が精神的な自立で、重要なのは「読解力

・教師は生徒一人一人の個性に向き合おうとするのではなく、必要なタイミングで「手入れ」をすればいい

・義務教育とは、子どもが学校に行きたいと望めば、それを権利として認め、教育機会を与える義務が親にある、ということ

第3章

・科学的に本当のことではないのに、多くの人が「脳科学からするとこうだ」と信じてこんでしまっているようなこと=「神経神話」がたくさんある

・生まれたばかりの赤ちゃんの脳には、すでに母語を認識する機能が備わっている

・2歳くらいまでのかなり小さい乳幼児の時期に限っては、褒めて育てるのがいい

正しく褒めて育てることは一生にわたって大切

・人間が意識や精神を獲得していく過程で、体がその基本になっていることは間違いないので、乳幼児期にあらゆる実体験をすることが大切

・何かに依存していることと、何かに夢中になることはまったく違う

・教育の最終目的は、「子どもたちが一生を通じてより良く生き、幸せになる」こと

第4章

・形式的に物事を押しつけられて育った子どもは、自分の頭で考えることができなくなる

・偏差値のような数値化される評価の場合、簡単に序列がつけられ、自己肯定感が低くなってしまうことがある

・自分のことは自分でする、自ら労働する「自労自治」が大切

・いまの日本には「共同体意識」がかなり欠けている

・さまざまなものづくりを経験することを通して「手と頭がつながる教育」をすることが重要

ここに書いたこと以外にもたくさんの話が出ているので、ぜひ本を読んでみてください。

また、箇条書きで書いたので、もっと詳しく知りたいという方も、読んでみてくださいね。

印象に残った言葉

子どもの時代が独立した人生ではなくなっている。(中略)子どもの時期がハッピーであれば、人生の一部がハッピーになる。

p94 養老孟司氏の言葉

子どもが「今」を幸せと感じることができず、幸せを先送りばかりしていると、自分がいつ幸せを享受できるのか実感できない、と養老氏は言います。

子ども時代に幸福を味わっておけば、そう簡単に自殺することもないのでは、とも言っています。

確かにそうかもしれない、と思いました。

幸せというのは物質的に満たされることより、いま置かれている状況に満たされ「自足」して生きることにある

p159 養老孟司氏の言葉

もう何もいらない、いまのままが幸せだ、と感じられる状態が楽しい、と養老氏は言っています。

なかなかそういう風に思えるようになるのは、難しい気もします…。

子どもは人材ではない、人間である

p214 高橋和也氏の言葉

子どもたちは人間であり、自由な主体として生きる一人格である、と高橋氏は言っています。

子ども一人一人が、それぞれかけがえのない人生を送るために、国全体で教育について考えていかなければいけないですね。

 
 

感想

ところどころ難しい用語や話題が出てくるところはありましたが、対談形式なので全体的には読みやすかったです。

その分野の第一人者の方たちが話されることは説得力があり、読んでいてなるほどと思うところも多かったです。

4人の識者の方に加えて、養老さんも自分の考えをかなり主張されているので、養老さんの考えも知ることができました。

子育てのための本というよりは、子供の教育に関する知識を深めたり、現代の子供の置かれている環境について考えるための本、という印象です。

子育てのためのハウツー本ではないです。

子育て中の人にはもちろんですが、教育関係に携わっている人、教育論に興味がある人などにもおすすめできるかと思います。

 

特に印象に残ったのは、第一章の宮口氏との対談です。

「ケーキの切れない非行少年たち」をずっと読みたいと思っていて、読んでいなかったので、近いうちに読もうかと思います。

宮口氏は、非行に走る原因は、学校の勉強についていけなくなること、だと言っていますが、家庭環境の問題が大きな原因なのかと思っていたので、それは少し意外でした。

学校のテストでは判断できない「認知機能」が大切で、それを見逃さないようにすることが重要だということがよくわかりました。

 

どの識者の方も言っているのは、情報化社会、脳化社会である現代の子どもたちに必要なのは、できるだけ自然と触れ合いながら、いろいろなことを実体験していくこと、なのかなと思いました。

人間と接するのも、ネットやゲームを通してではなくて、生身の人間と接していろいろな体験をする中で、あらゆる感情を経験することが重要なのだと思います。

今のコロナ禍でそういう機会がさらに奪われた可能性もあるのかな…と思ってしまいました。

 

そして、親としてできることについても考えさせられました。

ネットで「正しい子育て」を検索するばかりではダメですね。

つい何でもすぐにネットを検索しようとしてしまいます…。

「ゲーム依存」の話も出てきましたが、これは本当に難しい問題です。

今の子どもたちのほとんどがたぶんゲーム依存、スマホ依存、ネット依存なのではないでしょうか。

子供に限らず大人もほとんどの人がそうかもしれませんが…。

我が家でもゲームは時間制限などをして、なんとか依存しないように気を付けてはいますが、それでももっとやりたいと言われたり、時間が守れなかったりで、かなり難しいです。

土いじりや虫取りがいい、という話も出てきましたが、住んでいる環境によってはなかなか難しいですよね。

親としてはとにかく、できるだけ「安心安全の土台」と「伴奏者」になることが大切とのことで、できるだけ努力していきたいと思いました。

 

ちなみに、第二章のエピジェネティクスの話を読んで、以前に読んだ「スイッチ・オンの生き方」という本を思い出しました。

エピジェネティクスとは、DNAの塩基配列を変えずに細胞が遺伝子の働きを制御する仕組みを研究する学問ですが、何のことかよくわからないですよね…(笑)

DNAには“スイッチ”があり、スイッチをオンにしたりオフにしたりすることで、じつは運命はいかようにでも変えられるのではないか、というような研究です。

もし、子どもの中に眠っている遺伝子があれば、それをスイッチオンしてあげることができるかもしれません。

もし興味のある方は読んでみてください。

著者紹介

 

1937年、鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。1995年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。1989年、『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞を受賞。

著書に『唯脳論』(青土社、ちくま学芸文庫)『バカの壁』(新潮新書)『読まない力』『本質を見抜くカ――環境・食料・エネルギー』(竹村公太郎との共著)(以上、PHP新書)『環境を知るとはどういうことか』(岸由二との共著、PHPサイエンス・ワールド新書)など多数。


出版社より引用


「バカの壁」は平成で最も売れた新書だそうです。

まとめ

養老孟司氏と4人に識者の方の考えや、現代の子どもたちを取り巻く環境の問題などについて、いろいろと勉強になることが多くありました。

ぜひ、そういった問題に興味の方は読んでみてください!

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