本のむし子

40代主婦の読書日記ブログです。読んだ本の感想などを気ままに書いていきます。

こんにちは、むし子です!

5月に読んだ本をまとめます!

読書メーターというアプリを利用していて、1ヶ月に読んだ本をまとめる機能があるので、そちらを利用しています。
Twitterでも読み終わった時の感想を投稿していますが、それよりも読書メーターに書く感想の方が率直なものが多いと思います。

  5月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:7029


変な家変な家感想
皆さんの感想でよく見かけますが、やっぱり後半の展開が急すぎるというか、雑かなという印象がありました。間取りから推理するという所はすごく面白かったんですけど、後半はちょっと現実離れした話になってしまったような感じがしました。とは言え、面白くないわけではなくて、一気読みしてしまうほどの面白さはありました。第3弾はあるのでしょうか。期待したいです。
読了日:05月01日 著者:雨穴
 

デフ・ヴォイスデフ・ヴォイス感想
けっこう前から読みたいと思っていた作品。「ろう者」「聴者」「聴覚障害者」などの言葉の表現が意味することや、手話にも種類があること、ろう者の間でも対立があること、「コーダ」と呼ばれる立場の人たちの苦悩など、この作品には私の知らないことがたくさん書かれていました。知らない世界を知ることができるというのが、読書の面白さの一つだと思うのですが、この作品はまさにそれを実感できる作品でした。さらに、ミステリーとしても充分楽しむことができて、また素敵な作品に出会えてよかったと思いました。シリーズ作品全て読みたいです。
読了日:05月08日 著者:丸山 正樹
 

コーヒーが冷めないうちにコーヒーが冷めないうちに感想
Audibleにて。Audibleで聴いたからか、途中までは単調な感じがして、物語にあまり入り込めなかったのですが、聴いているうちにだんだん面白く感じるようになりました。「泣ける」という評価の通り、ほろっとするところはありましたが、やっぱり現実味のない物語が苦手だからでしょうか…。期待したよりもはまらなかったです…。映画化されているようで、映画で観た方が面白そうかな、と思いました。
読了日:05月08日 著者:川口俊和

鎌倉うずまき案内所鎌倉うずまき案内所感想
平成の始まりから終わりまでの鎌倉を舞台にした6人の物語。やっぱり青山美智子さん好きです、大好きです。登場人物がどこかでつながってて、最後まで読むと最初に戻りたくなる、っていうザ青山作品の連作短編集です。毎回同じような感じとも言えるんですが、どの作品を読んでも飽きないし、どれも大好きなのは何ででしょう(笑)どの作品も名言が多いですしね〜。神様当番の神様もだけど、今回の双子のおじいさんも可愛くていいキャラだし。ギャグとかダジャレのセンスもいいですよね〜。青山作品、あと一つでコンプリートです!
読了日:05月09日 著者:青山 美智子
 

君の名前の横顔君の名前の横顔感想
「読者による文学賞」に選ばれていて、読もうと思っていた作品。ちょっと思ってたのと違ったし、ちょっと難しかった(汗)SFというかファンタジーが苦手なのもありますが…。この作品、ジャンルでいうと何ていうジャンルなんでしょう。いろいろと難しい作品だと思いました。感想も何て書いたらいいのかわからない感じです…。「子供の名前に願いを込めることに抵抗があった」という親の思いが書かれていましたが、私は子供の名前に願いを込めてしまいましたね…。何ていうか、好きな人にはすごくハマる作品だと思います。
読了日:05月09日 著者:河野裕
 

犬がいた季節犬がいた季節感想
いやぁー、めちゃくちゃよかった!これ、今40〜50代くらいの人が読んだら、かなり刺さるんじゃないかな。高校生くらいの歳のいろんな感情が絶妙に描かれていて、胸が苦しくなったり切なくなったりしました。第1話からなんだか泣けてきてしまって、その後も何度も泣ける場面が多くて、最後は爽やかな涙がまた出て。一般的にはどうかわからないけど、私は高校時代がめちゃくちゃ楽しかったから、やっぱり懐かしく思い出しちゃいました。若い頃の思い出にいつまでもしがみついてるおばさんです(笑)犬のコーシローの存在がまた最高でした!
読了日:05月11日 著者:伊吹 有喜
 

ミシンと金魚ミシンと金魚感想
話題になっていた作品なので読んでみました。芥川賞寄りの作品なので、苦手かも…と思いつつ最初は読んでいました。正直、苦手意識は最後まで抜けることはなかったのですが…それでもカケイさんワールドに完全にハマり、最後にはじーんとして泣いてしまいました。軽快でユーモラスな語りからは想像できないような凄絶な人生を送ってきたんだなぁ、カケイさんは。女の子をトイレで産み落とした辺りからは一気に話にのめり込みました。評価が高いのも納得の作品でした。
読了日:05月11日 著者:永井 みみ
 

猫のお告げは樹の下で猫のお告げは樹の下で感想
これで青山美智子さんの作品コンプリートです!(詩集を除き)この作品もよかった!7つの話どれもよかったけど、「タネマキ」のおじいさんとお嫁さんの話、こんな素敵な関係の義父と嫁って世の中にいるの⁈って、軽く衝撃を受けました。私も隣に義父が住んでいて近い関係ですが、こんなん絶対無理無理〜って思いました(笑)あとは、「お探し物は〜」のさゆりさんと、「木曜日にはココアを」のあの人たちが出てきて嬉しくなりました。青山さんの作品は、一つの作品の中のつながりを探すのも楽しいけど、作品と作品のつながりを探すのも楽しい。
読了日:05月13日 著者:青山 美智子
 

龍の耳を君に (デフ・ヴォイス新章)龍の耳を君に (デフ・ヴォイス新章)感想
デフ・ヴォイスシリーズ2作目。1作目を読んだばかりだったので、登場人物や荒井の過去などをしっかり記憶したまま読めたので、理解しやすかった。緘黙症については少し知っているくらいだったので、前作同様、知らないことをたくさん知ることができました。聾という字の成り立ちについても印象深かったです。英知がどう成長していくのか気になります。美和が優しくて明るい子なので、読んでいて微笑ましく感じるし、荒井とみゆきの今後も気になりますね〜。デフ・ヴォイスって読書メーターで注目されたんですね、なんかすごい。
読了日:05月13日 著者:丸山 正樹
 

法廷遊戯法廷遊戯感想
前から読みたいと思っていた作品で、映画化されるということを知り、さらに興味を持ちました。展開が気になり、一気読みでした。著者が弁護士ということで、法律や裁判について細かく記述はさすがです。若干難しく感じる部分もありましたが、読者にもわかりやすく書いてあると思います。最後に真相がわかっても、何となくスッキリしない感じが残りました。
読了日:05月15日 著者:五十嵐 律人
 

流感想
『宝島』や『熱源』のような感じの作品なのかと思い、以前から読みたいと思っていた作品。直木賞の選考でも満場一致で選ばれたとのことで、期待しすぎたのかもしれません。個人的な好みの問題ですが、私はもう少し史実に基づいた作品の方が好きなのかも。台湾の土地のにおいがしてくるような泥くささや、スケールの大きい感じは好きなのですが、ちょっと冗長だな…と感じる部分も正直ありました。ミステリー要素もあって、面白くなかったわけではないですが…。Gが大の苦手なので、Gの描写もキツかったです…。読むのをやめようかと思いました笑
読了日:05月16日 著者:東山 彰良
 

イクサガミ 天 (講談社文庫)イクサガミ 天 (講談社文庫)感想
Audibleにて。続編が出たようで、Twitterにたくさん情報が流れてきたので、聴いてみました。あんまりこういうジャンルには興味がなかったのですが、聴き始めると面白くて一気聴きでした。キャラもみんな立ってていいですよね。Audibleだと、「こどく」とか人物名などが、どういう漢字を書くのかわからなかったので、紙で読んだ方がよかったかなと思いました。続編の「地」は近いうちに読んでしまうと思います(笑)でも、その後また続編が出るまで待たないといけないですよねぇ。三部作全て出てから読めばよかったかな(笑)
読了日:05月19日 著者:今村 翔吾
 

その扉をたたく音その扉をたたく音感想
「あと少し、もう少し」のスピンオフだと知らずに読んでしまった!手元にあと少し〜はあるのに!瀬尾まいこさんの作品はほんとハズレなしですね。瀬尾さん、音楽好きなのかな。特に合唱曲が好きみたいですが、私も合唱曲が大好きなので嬉しい。しかも今回はグリーンデイが出てきた!音楽が題材になってるだけで、テンション上がります(笑)って音楽の話は置いといて…宮路くんと水木さんや本庄さんとのやり取りがすごくよかった。親子や家族じゃないからこその関係のような感じで。水木さんの手紙もよかった。渡部くんとの関係も素敵だなぁ。
読了日:05月19日 著者:瀬尾 まいこ
 

二人の嘘二人の嘘感想
面白くなかったわけではないんだけど、展開が読めてしまうところが残念でした。プロローグの内容と最後の章が「悲劇」なので、大体どうなるかは想像がついてしまいますよね…。最後まで一気読みではあったんですけどね。この作品の切ない雰囲気は好きです。
読了日:05月20日 著者:一雫 ライオン
 

慟哭は聴こえない (デフ・ヴォイス)慟哭は聴こえない (デフ・ヴォイス)感想
シリーズ1作目、2作目と最近読んだので、記憶が新しいうちに全部読みたいと思い、今作を読みましたが、今のところこれが1番よかった。どの話もそれぞれ心を揺さぶられるものがありました。どの話もやるせないですよね…。ろう者の人たちが日常生活でどんなことに不便を感じているのかとか、どんなことを感じながら生活しているのかとか、全く知らないことばかりで、自分が恥ずかしくなります。登場人物の成長も見られて、みんな応援したくなる人ばっかりだし、何森刑事もいいキャラだし、4作目はもちろんだけどスピンオフ作品も読みます!
読了日:05月21日 著者:丸山 正樹
 

わたしのいないテーブルで: デフ・ヴォイスわたしのいないテーブルで: デフ・ヴォイス感想
3作目がすごくよかったけど、この4作目もまたまたすごくよかった。感動という言葉とはちょっと違うけど、心の奥深くが揺さぶられるような感覚になります。「ディナーテーブル症候群」というのは初めて知りましたが、そんなろう者の人たちがたくさんいるのかと思うと、本当に悲しい…。ろう者に限らず、家族であっても心を通わせるのは難しいこともあるけど、意思の疎通すらできないなんて…。私なら、我が子と会話できないなんて絶対嫌だから、絶対に手話を学ぼうとすると思うんだけど…。荒井の家族の今後がもっと読みたいので、続編希望です!
読了日:05月22日 著者:丸山 正樹
 

あと少し、もう少し (新潮文庫)あと少し、もう少し (新潮文庫)感想
「その扉をたたく音」を先に読んでしまいましたが、それはそれで渡部くんの中学時代を知れて面白かったです。解説の三浦しをんさんが書いているように、語り手を変えて同じ場面が繰り返し描写されていく、という手法がとてもよかった。主人公6人の考えや心情が細やかに描かれていて、それぞれに共感しながら読みました。読みながらどんどん胸が熱くなり、最後の方は静かに涙が流れました。顧問の上原先生がまた素敵だなぁ。青春時代にこれだけ何かに打ち込めるのって、素晴らしいなぁ。青春ものの小説が好きなことに最近気付きました(笑)
読了日:05月25日 著者:瀬尾 まいこ
 

温室デイズ (角川文庫)温室デイズ (角川文庫)感想
瀬尾まいこさんの作品は、今までに読んだ作品どれもが優しくて温かい感じのものばっかりだったけど、これは違っていてちょっとびっくりしました。私は幸い学級崩壊したクラスに属したこともないし、ひどいいじめに関わったこともないのですが…もしそんな状況下に自分がいたら、きっと毎日が辛くて仕方なかっただろうな…と想像しました。我が子たちにもできればそんな辛さを経験してほしくないって思いました。中学が温室みたいなもんだとは、私は思わないですね。そりゃ社会に出たら大変だけど、中学も同じくらい厳しいですよね。
読了日:05月25日 著者:瀬尾 まいこ
 

サクリファイス (新潮文庫)サクリファイス (新潮文庫)感想
初読み作家さん。ロードレースのことは全く知らないので、興味深く読みましたが、レビューを見ると、詳しい方の間では評価が分かれている感じですね。なかなか普通のスポーツとは違う難しさのあるスポーツですね。途中から不穏な空気が流れ始めてミステリ色が出てきた辺りから、面白くなってきましたね。主人公やチームのメンバーには好感が持てましたが、香乃と袴田がすごく嫌いなので、なんだかモヤモヤして終わりました(笑)でも、スポーツ×ミステリというのは初めて読んだジャンルで、とても面白かったので、続編も読んでみようかと思います。
読了日:05月27日 著者:近藤 史恵
 

刑事何森 孤高の相貌刑事何森 孤高の相貌感想
デフ・ヴォイスシリーズを立て続けに4作品読んでからのこちらです。何森刑事みたいなキャラ、みんな好きよね、カッコいいよね(笑)デフ・ヴォイスシリーズも読み応え抜群だけど、今作もまたよかった。3編どれも好きですが、「ロスト」は切ないですね…。「ロク」の妹を想う気持ちも、何森の哀しい過去も、桐子視点で語られる心情も、どれも切なかった。「灰色でなく」では「供述弱者」について書かれており、また知らない世界を教えてもらえました。来月スピンオフ第二弾が出るようで、またまた楽しみです!デフ・ヴォイス5作目も出ないかな〜。
読了日:05月28日 著者:丸山 正樹
 

君が夏を走らせる君が夏を走らせる感想
『あと少し〜』を読んですぐに借りました。不良の大田くん、やっぱりいい子ですね。鈴香がまた可愛すぎ!子育てしたことのある人が読むと、きっと刺さる作品ですね。子育てあるあるみたいなのがたくさん出てきて、私も我が子が小さかった時のことを思い出しながら読みました。大田くんと鈴香の1ヶ月が何事もなく過ぎて安心しました。熱出したりしないかな…とか、コンロの火に手を突っ込まないかな…とか、滑り台から落ちないかな…とか、余計な心配ばかりして読んでしまいました。
読了日:05月28日 著者:瀬尾 まいこ
 

優しい音楽<新装版> (双葉文庫)優しい音楽<新装版> (双葉文庫)感想
瀬尾さんらしい3つの物語でしたが、価値観の凝り固まったおばさんにはなかなか厳しいものがありました…。特に「タイムラグ」は嫌ですねぇ。不倫ものは嫌です…。「優しい音楽」はアリですが、ティアーズインヘヴンなんて、息子を失った家族が涙なくしては歌えないよー?って変なとこツッコミたくなりました。最後の話が一番好きだけど、これもやっぱり知らないおじさん連れてこられたら嫌ですねぇ。って、文句ばっかり言いましたが、やっぱり瀬尾さん、うまいんでしょうね〜。嫌でもほっこりしたり、じーんとしてしまうんですよね。参った。
読了日:05月29日 著者:瀬尾 まいこ
 

7.5グラムの奇跡7.5グラムの奇跡感想
視能訓練士の話。こういう専門的な職業や仕事についての本、好きです。私は小学生の頃から強度近視なので、眼科には馴染みがあるし、子供2人にも近視が遺伝してしまい、眼科に行く機会が多いです。北見眼科医院みたいな眼科があったら通いたいなぁ。先生もスタッフもみんないい人ばかり。5つの話、どれも印象的でしたが、第1話の女の子の話から泣いてしまった。全体を通して緑内障について書かれていて、身内に緑内障の人がいるし、私も予備軍なので、ちゃんと検査に行かなきゃって思いました。読書とスマホも程々に、目を大事にしなきゃ。
読了日:05月30日 著者:砥上 裕將


5月のおすすめ作品をピックアップ!

1位は…伊吹有喜さんの『犬がいた季節』です!! Audibleで聴いたから、より感情移入したのかもしれませんが…。 こういう青春物語、もっと読んでいきたいかも。

 2位は…丸山正樹さんの『デフ・ヴォイス』シリーズ!!
シリーズでまとめるのはずるいかもしれないけど、どれもよかったですね〜。
全然知らない世界を教えてくれるというのは、読書の醍醐味ですね〜。
今月、何森刑事のスピンオフ作品の新刊が出るんですよ!楽しみです!
丸山正樹さんの作品は、デフ・ヴォイスシリーズ以外も良さそうなものがたくさんあるので、読んでいこうと思っています。

 3位は…今村翔吾さんの『イクサガミ天』!! あんまりこういうの読まないんですけど、文句なしに誰が読んでも面白いと感じる作品じゃないでしょうか。
コミック化されているみたいですが、子供も好きそうですよね。
『イクサガミ地』が出たばっかりで、Twitterを毎日賑わせていますが、私も近いうちに読めれば、と思っています!
 
今月は瀬尾まいこさんの作品をたくさん読みました。
今月読んだ中では『君が夏を走らせる』が一番好きでした。
そのうちコンプリートしたいと思っている作家さんなので、コツコツ読んでいこうと思っています。
 
今月は読書疲れがマシだったのでたくさん読めましたが、調子に乗るとまたハイペースになってしまうので、もう少しゆっくりペースを心がけていかなきゃダメですね。  
ちなみに、ブログの方はというと…、すっかりお休みモードになってしまっています(汗)
PV数もそれに比例して、徐々に落ちてきてしまっています。
やっぱりブログを書くのは目が疲れすぎるんですよね…。
砥上裕將さんの『7.5グラムの奇跡』を読んで改めて感じましたが…もう少し目を大事にしないといけないと思いますし…。
今後続けていけるか怪しくなってきました…。
こんなはずなら、無料ブログにしておけばよかったか(笑)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

みなさん、こんにちは!

今回は、私の一番好きな作家さんである薬丸岳さんのおすすめ作品について、ランキング形式でご紹介したいと思います!!

一番好きな作家さんなので、最新刊の『最後の祈り』も含めて、全作品読破しています。 

もちろん、好きな作家さんとはいえ、あまり好みでない作品も中にはありますが、基本的にはどれもハズレなしで、好きな作品ばかりです。

けっこう前に読んだ作品もありますが、再読したり、読んだ当時の自分の感想を振り返ったりしつつ、ランキング形式にしてみました。

ランキングにするのはかなり難しいですが、薬丸作品を読んだことのない方や、そんなに読んだことのない方に強くおすすめしたいと思う作品を選んでみました。


薬丸岳さんについて

ランキング発表前に、薬丸岳さんについて少し紹介!

1969年兵庫県明石市生まれ。

2005年、『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。

2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞受賞。

2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。

近年は「小説現代長編新人賞」や「日本ミステリー文学大賞新人賞」などの選考委員もされています。

薬丸岳さんの作品の魅力は、何と言っても、重いのに読みやすいところですね。

「少年犯罪」や「贖罪」、加害者・加害者家族の思い、被害者や被害者家族の思い、など、重いテーマのものがほとんどですが、文章がとても読みやすく、読み始めるとあっという間に読めてしまう、というところがいいんですよ。

登場人物の心情が細かく描写されているからでしょうか。物語に入り込みやすいんですよね。

読み終えた後は、うーんと考えさせられる作品が多いですが、ほとんどの作品には「救い」や「赦し」があると思うので、そこまで暗くはならずに、どこか爽やかな読後感があるものが多いように感じます。  

それにしても、ここまでずっとこういった「罪と罰」というテーマの作品を書き続けている作家さんって他にいるのでしょうか?

私が知らないだけかもしれませんが…。相当研究されているんだろうな…。
 
余談ですが、薬丸さんのWikipediaのページを見ると、「日本脚本家連盟ライターズスクールに通っていた頃、偶然隣の席になったことから仲良くなったのが、歌手の木山裕策であり、現在も親交が続いている。」というような記述があり、へえ~と思いました(笑)
 

作品リスト

薬丸さんの作品リストです!!
  • 天使のナイフ(2005年8月 講談社)
  • 闇の底(2006年9月 講談社)
  • 虚夢(2008年5月 講談社)
  • 悪党(2009年7月 角川書店)
  • ハードラック(2011年9月 徳間書店)
  • 死命(2012年4月 文藝春秋)
  • 逃走(2012年10月 講談社)
  • 友罪(2013年5月 集英社)
  • 神の子【上・下】(2014年8月 光文社)
  • 誓約(2015年3月 幻冬舎)
  • アノニマス・コール(2015年6月 KADOKAWA)
  • Aではない君と(2015年9月 講談社)
  • ラストナイト(2016年7月 実業之日本社)
  • ガーディアン(2017年2月 講談社)
  • 蒼色の大地(2019年5月 中央公論新社)
  • 告解(2020年4月 講談社)
  • ブレイクニュース(2021年6月 集英社)
  • 刑事弁護人(2022年3月 新潮社)
  • 罪の境界(2022年12月 幻冬舎)
  • 最後の祈り(2023年4月 KADOKAWA)
【刑事・夏目信人シリーズ】
  • 刑事のまなざし(2011年6月 講談社)
  • その鏡は嘘をつく(2013年12月 講談社)
  • 刑事の約束(2014年4月 講談社)
  • 刑事の怒り(2018年1月 講談社)
※その他、アンソロジーに収録された作品や、文芸雑誌に掲載されたものもありますが、薬丸さん名義で発売された作品のリストになります。
 

おすすめランキング!!

さぁ、いよいよおすすめランキングの発表!!

もったいぶって10位から発表しようかと思ったんですが、とにかく早くおすすめを知りたいという方のために、1位から発表することにします。
 

位 『天使のナイフ』

犯人は、13歳の少年だった。
娘の目の前で、桧山貴志の妻は殺された。
犯人が13歳の少年3人だったため、罪に問われることはなかった。
4年後、犯人の1人が殺され、桧山が疑われる。
「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。
法とは、正義とは。デビュー作にして、少年犯罪小説・唯一無二の金字塔。 出版社より引用
薬丸さんのデビュー作にして「第51回江戸川乱歩賞」を受賞した作品。
予備選考の時点から独走状態で、本選でも選考委員の満場一致で受賞が決定したそうです。
 独走状態、ってすごくないですか!?
でも、それも納得の作品だと思います。
 2021年には「新装版」が発売されているので、きっと根強い人気があるんですね~。
 WOWOWで連続ドラマ化もされました。
 
デビュー作がおすすめ1位なら、その後の作品は全部そうでもないのか?と思われてしまいそうなので、本当なら1位にしたくない気持ちもあったのですが、やっぱりこれは素晴らしい作品なんですよ!!
 私はこの『天使のナイフ』を読んですっかり気に入ってしまい、他の作品も読むようになり、薬丸さんにはまったので、思い出深い作品でもあるんです。
 この作品は「少年法」をテーマにしているので、少年犯罪について考えさせられるのはもちろんですが、「どんでん返し」のミステリーとしても見事な作品だと思います。
 社会派ミステリーもどんでん返しもどちらも大好きなので、その両方が組み合わさっていて、ハラハラドキドキする展開に、興奮しながら読みましたよ。

第2位 『Aではない君と』

勤務中の吉永のもとに警察がやってきた。
元妻が引き取った息子の翼が、死体遺棄容疑で逮捕されたという。
しかし翼は弁護士に何も話さない。
吉永は少年が罪を犯した場合、保護者自らが弁護士に代わり話を聞ける『付添人制度』を知る。
なぜ何も話さないのか。翼は本当に犯人なのか。自分のせいなのか。
生活が混乱を極めるなか真相を探る吉永に、刻一刻と少年審判の日が迫る。 出版社より引用
第37回吉川英治文学新人賞」を受賞した作品です。
 また、賞を獲っている作品になってしまいましたが、やっぱりこれも賞を獲ったのが納得の作品だと思うんですよー!
薬丸さんが「10年間考え続けてきたことを書きました」と言っているのですが、この作品は何ていうか、本当に辛くて重い話なんですよね。
薬丸さんの10年分の思いが込められているのがよくわかります。
自分の子供がもし罪を犯してしまったら、というテーマの作品ですが、親目線で読むと本当に辛い場面が多くて、途中からはずっと泣きながら読んだ記憶があります。
これも、テレビ東京でドラマ化されました。私も観ましたが、佐藤浩市さんと天海祐希さん主演で、原作にも忠実でかなり見ごたえがありました。

第3位 『刑事のまなざし』

人を信じ、真実を見抜く。幼い娘の笑顔を奪われた刑事だから。
思わず涙がこぼれる七つのミステリ。 ぼくにとっては捜査はいつも苦しいものです――通り魔によって幼い娘を植物状態にされた夏目が選んだのは刑事の道だった。
虐待された子、ホームレス殺人、非行犯罪。
社会の歪みで苦しむ人間たちを温かく、時に厳しく見つめながら真実を探り出す夏目。
何度読んでも涙がこぼれる著者真骨頂の連作ミステリ。 出版社より引用
椎名桔平さん主演で連続ドラマ化された作品です。
「夏目信人シリーズ」としてこの『刑事のまなざし』の後に、『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』『刑事の怒り』という3つの作品が発売されています。
『その鏡は嘘をつく』は長編ですが、それ以外は短編集となっています。
シリーズ全作品すべて面白いのですが、まずはとりあえず1作目のこの作品からどうでしょうか、という意味を込めて、3位にしました。 
短編集なので、薬丸さんの作品を初めて読むという方にも読みやすいかと思います。
『刑事のまなざし』には7つの話が収録されていますが、どの話もそれぞれ個性があって、短編ですが読み応えもあります。
そして、主人公の夏目信人がまたいいんですよ。
物腰が柔らかくて刑事らしくない感じだけど、真実を探る目は鋭くて厳しいという。
この作品が気に入ったら、ぜひ他の3つの作品も読んでみてください!

第4位 『虚夢』

通り魔事件によって娘の命は奪われた。
だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。
心に大きな傷を負った男は妻とも別れてしまう。
そして事件から4年、元妻から突然、「あの男」を街で見たと告げられる。
娘を殺めた男に近づこうとするが……。人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。 出版社より引用
「心神喪失者の行為は、罰しない」「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」とする、刑法39条について考えさせられる作品です。
もし我が子を殺されたとして、犯人が刑法39条によって罪に問われないなんてことがあったら、どう感じるだろうか。
心身喪失者により娘を殺されてしまった親の思いがひしひしと伝わってくる作品です。
読後は、うーんと考えさせられること間違いなしです。

第5位 『神の子』

少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録した町田博史。
そして、収容された少年たちと決行した脱走事件の結末は、予想だにしなかった日々を彼にもたらすこととなる――。
一方、闇社会に潜み、自らの手を汚さずに犯罪を重ねる男・室井は、不穏な思惑の下、町田を執拗に追い求めていた。 出版社より引用
上下巻合わせるとかなりのページ数がある作品ですが、めちゃくちゃ面白くて一気読み必至の作品です。
下巻はやや尻すぼみだという口コミもちらほら見かけますが、私は最後まで面白く読みました。   この作品は、重くて考えさせられるという感じではなく、どちらかというとエンタメ重視の作品だと思います。

第6位 『罪の境界』

無差別通り魔事件の加害者と被害者。
決して交わるはずのなかった人生が交錯した時、慟哭の真実が明らかになる感動長編ミステリー。 「約束は守った……伝えてほしい……」
それが、無差別通り魔事件の被害者となった飯山晃弘の最期の言葉だった。
自らも重症を負った明香里だったが、身代わりとなって死んでしまった飯山の言葉を伝えるために、彼の人生を辿り始める。
この言葉は誰に向けたものだったのか、約束とは何なのか。 出版社より引用
昨年発売された作品で、テレビでも紹介されて、私のブログ記事も多くの方に見ていただいている作品です。
加害者と被害者、それぞれの思いに焦点を当てていて、なかなか重くて考えさせられる作品です。
この作品もTwitterなどで評価が高く、私も大好きなんですが、最後の最後がちょっと残念…という口コミをけっこう見かけますね。
私も正直そのエピソードは無い方がよかったかな…と思ってしまった派です。
それがなければこのランキングでもっと上位に入れてたかもしれない!

第7位 『友罪』

―過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?―
ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編!
ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。
同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。
しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。
事務員の藤沢美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱いている。
益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。
13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめる・・・・・・ amazonより引用
生田斗真さん主演で映画化された作品です。
「友人がもし殺人犯だとわかったら…」というテーマの作品ですが、自分がもしこの立場になったらどうするか、友人として付き合っていけるのか…と考えてしまう作品です。
この作品も「贖罪」とか「償い」とは何なのか、ということについて考えさせられる作品です。

第8位 『告解』

心から笑える日は来るのだろうか。
あの日、人を殺してしまった僕に―― 『天使のナイフ』『友罪』『Aではない君と』
贖罪の在り方に向き合い続けてきたからこそ辿り着いた、慟哭の傑作長編。 ――罰が償いでないならば、加害者はどう生きていけばいいのだろう。
飲酒運転中、何かに乗り上げた衝撃を受けるも、恐怖のあまり走り去ってしまった大学生の籬翔太。
翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。
自分の未来、家族の幸せ、恋人の笑顔――。
失うものの大きさに、罪から目をそらし続ける翔太に下されたのは、懲役四年を超える実刑だった。
一方、被害者の夫である法輪二三久は、“ある思い”を胸に翔太の出所を待ち続けていた。 出版社より引用
デビュー15年目にして、初めて加害者本人を主人公にした作品です。
加害者の周囲にいる人について書いた作品はあったけど、加害者本人について書くのは初めてだったそうです。
ひき逃げ事故で人を殺してしまった大学生が主人公ですが、この作品を読んで考えさせられることは、自分がいつ加害者になってしまってもおかしくない、ということです。
車を運転する人ならいつでも死亡事故の加害者になる可能性があります。
車の運転に限らず、どんな事件の加害者になってしまうかなんて誰にもわからないのです。
加害者はどう罪を償っていくべきなのか、この作品も「贖罪」がテーマの作品です。

第9位 『悪党』

復讐はなされなければならないのか!? 渾身の社会派ミステリ! 元警官の探偵・佐伯は老夫婦から人捜しの依頼を受ける。
息子を殺した男を捜し、彼を赦すべきかどうかの判断材料を見つけて欲しいという。佐伯は思い悩む。
彼自身も姉を殺された犯罪被害者遺族だった……。 出版社より引用
この作品は、2012年と2019年にドラマ化されています。
加害者の追跡調査をする探偵が主人公の連作短編集です。
主人公の佐伯も被害者家族なので、調査をしながら葛藤することになります。
被害者家族は、加害者がどうなっていたら赦せるのか、どうなっていたら更生していると思えるのか。
この作品は被害者家族の苦悩だけでなく、加害者家族の苦悩についても書かれていて、さまざまな視点からいろいろ考えさせられます。

第10位 『ブレイクニュース』

ある目的のため、女はひとり、立ち上がった。 ユーチューブで人気のチャンネル『野依美鈴のブレイクニュース』。
児童虐待、8050問題、冤罪事件、パパ活の実情などを独自に取材し配信。
マスコミの真似事と揶揄され、誹謗中傷も多く、中には訴えられてもおかしくない過激でリスキーな動画もある。
それでも野依美鈴の魅力的な風貌なども相まって、番組は視聴回数が1千万回を超えることも少なくない。
年齢、経歴も不詳で、自称ジャーナリストを名乗る彼女の正体を探るべく、週刊誌記者の真柄は情報を収集し始める。すると意外な過去が見えてきて……。
デジタル社会の現代へ警鐘を鳴らす、SNS時代の新たな社会派小説。 出版社より引用
現代の社会問題をテーマにした連作短編集です。
8050問題やパパ活などの社会問題について知ることができるだけでなく、ネット社会が持つ危険性などについても考えさせられる内容になっています。
さまざまなSNSなどで、何でも匿名で発信できてしまう世の中だけれど、無責任なことは発したらいけないということを改めて感じた作品です。
薬丸作品にしてはいまいち面白くない、というような感想もけっこう見かけますが、短編集で読みやすいですし、私は好きな作品です。
主人公の野依美鈴のキャラもなかなかいいので、連続ドラマ化されないかな~と思いました。
 

まとめ

薬丸岳さんの作品について、おすすめ作品をランキング形式でまとめてみました!!
薬丸さんの名前は知っているけど読んだことはないという方や、いくつか読んだけどもっと読んでみたいと思っている方、ぜひぜひ参考にしてくださいね!
素晴らしい作品がたくさんあるので、ランキングにするのはなかなか難しかったですね~。
ランキングに入っていない作品でも、面白い作品はまだまだありますし…。
ドラマ化や映画化されてきた作品もけっこうありますが、今後もされることがあるんじゃないかな、と思っています。
今後も新刊が出たら、絶対に読んでいこうと思っています!
ちなみに…初めて読む方には重すぎるかと思ったので、ランキングには入れませんでしたが、最新刊の『最後の祈り』もおすすめです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!


むし子
むし子

こんにちは、むし子です!
4月に読んだ本をまとめます!!

読書メーターというアプリを利用していて、1ヶ月に読んだ本をまとめる機能があるので、そちらを利用してまとめています。

ここ最近は読書疲れがひどいので、聴く読書Audibleを利用していて、読んだ本よりも聴いた本の方が多くなっています。

ブログ記事を書いた作品については、記事を添付しますので、よろしければ参考にご覧ください。

4月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3558

【2023年・第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作】名探偵のままでいて (『このミス』大賞シリーズ)【2023年・第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作】名探偵のままでいて (『このミス』大賞シリーズ)感想
このミス大賞であり、ナイナイの岡村さんが推しているのが気になっていたので、読んでみました。おじいさんがカッコよすぎ!推理がすごい!ちょっとほろっとくるところがあったり、ハラハラするところもあって、面白かったです。最後は余韻がすごかったです。登場人物もみんな好きでした。恋愛の行方も気になるので、続編が出る気もしますねぇ。それと、ドラマ化もされそうな感じがします。
読了日:04月06日 著者:小西 マサテル

https://www.mushikoblog.com/meitantei-no-mamadeite/


羊と鋼の森羊と鋼の森感想
Audibleにて。とにかく表現が美しくて、うっとりしてしまうような作品だった。さすが本屋大賞。聴く読書は読むのとは違う良さがあります。ピアノをやってたので、少しくらいは馴染みのある世界かと思ったら、全然知らない世界が広がっていた。まず、調律師という仕事がそんなに難しくて奥深い仕事だという認識もなかったです。一般家庭のピアノでも、この作品に書かれているようなことを考えて、調律師さんは調律してるのだろうか。いつもささっと調律して帰るイメージしかなかったけど…。主人公の真面目さとひたむきさが本当にいいですね。
読了日:04月08日 著者:宮下 奈都


同志少女よ、敵を撃て同志少女よ、敵を撃て感想
最近Audibleを利用しているので最初は聴いていたのですが、家に本もあるので、結局途中からはほぼ読んでしまいました(笑)クリスティ賞を受賞しているので、ミステリ要素があるのかと思いましたが、個人的にミステリ要素はほぼ無いように感じました。戦争小説としてはとても臨場感があり、迫力のある作品だと思います。戦争の恐ろしさ、理不尽さを嫌というほど感じました。登場人物も個性的で読みやすかったです。ロシアとウクライナの戦争が始まる前に書かれたみたいですが、今読むべき本だと思います。
本屋大賞受賞も納得の作品。
読了日:04月11日 著者:逢坂 冬馬


僕は上手にしゃべれない (teens’ best selections)僕は上手にしゃべれない (teens’ best selections)感想
Twitterでフォロワーさんがおすすめしていたので、読んでみました。後半から涙が止まらず大号泣でした。吃音に悩む中一男子が主人公ですが、著者が吃音症とのことで、書かれていることがすごくリアルで、心を揺さぶられました。児童書ではあるけど、大人が読んでも全然いいし、吃音のことを知らない人なら読んで得るものはあると思います。吃音って割と世間で理解されてると私は思っていたのですが、そうでもないのですね。主人公が物語の中でも言っていますが、健常者でもなく障害者でもないという曖昧さが辛いのだろうと思いました。
読了日:04月12日 著者:椎野 直弥

https://www.mushikoblog.com/bokuha-jyouzuni-shaberenai/


カラフル (文春文庫)カラフル (文春文庫)感想
Audibleにて。有名な作品なので、ずっと読みたいと思っていました。冒頭部分からめちゃくちゃ面白くて、一気読みならぬ一気聴きでした。小中学生へのおすすめ作品としてよく見かけるので、子供にも読ませようかと思ったのですが、援助交際とか不倫とか、内容的に微妙な部分もありますね…。中学生くらいならセーフかな。こういう現実には無さそうな話はあまり好みではないんですが、この作品は好きですね。面白いし、感動するし、大人が読んでも充分満足でした。
読了日:04月14日 著者:森 絵都


罪の声 (講談社文庫)罪の声 (講談社文庫)感想
いやぁー、これは面白かった!久しぶりに骨太のミステリーを読んだ気がします。グリコ森永事件はあまり詳しく知らなかったので、事件について調べながら読みましたが、実際の事件にかなり忠実に書かれてますよね。そこにフィクション部分を織り交ぜて書いてるわけですが、その混ぜ具合が見事というか、実際の事件の真相もこの物語の通りだったんじゃないか、と思うくらいの説得力がある作品でした。実際の事件で、脅迫事件に声が使われた子供たちは、どう生きているんでしょうか…。映画も観てみたいなぁ。
読了日:04月16日 著者:塩田 武士


線は、僕を描く線は、僕を描く感想
Audibleにて。映画も話題になってたし、本屋大賞でも上位に入っている作品なので、気になっていました。なんて美しい作品なんでしょう〜。水墨画のことは全くわかりませんが、聴いているだけで水墨画を鑑賞しているような気がして、その繊細な世界を少し理解できたような気になりました。芸術を文章に表せるのって本当にすごいなぁ。芸術的な作品はAudibleみたいに耳から聴くのが向いてるかも。ストーリー的には起伏のある作品ではないけれど、こういう静かな感動が押し寄せてくるような作品は、個人的に大好きです。
読了日:04月19日 著者:砥上 裕將


エゴイストエゴイスト感想
Audibleにて。鈴木亮平さん主演ということで映画を観ようと思っていたけど、観れなかったので、原作を聴いてみました。これは鈴木亮平さんの演技が観てみたかったなぁ〜。主人公は自分をエゴイストと言っているけど、どうなんだろう…。確かに自分勝手な想いではあるかもしれないけど、それで相手も救われたんだったら、それでいいんじゃないかな。相手が亡くなってしまったのは残念だったけど…。「性愛も血縁も超えた愛のカタチ」という紹介があるけど、お互いが想い合っているのなら、素晴らしい愛のカタチなんじゃないかな…。
読了日:04月21日 著者:浅田 マコト


夜明けのすべて夜明けのすべて感想
Audibleにて。瀬尾まいこさんの作品はけっこう読んできましたが、これまた最高でした!こういう日常生活の何気ない温かさや優しさを描いたら、ほんとにうまいですよね。PMSのタイプは藤沢さんとは違うけど、辛さは私もよくわかるだけに、親近感を持ちました。山添くんとの恋愛ではない何とも言えない関係がまた絶妙で、すごく愛おしい関係だなぁって思いました。栗田金属がまた素敵な会社すぎて最高。それから、ボヘミアンラプソディの映画のくだりが大好きです。ちょうどテレビで映画やってて、なんとタイムリーと思いながら聴きました笑
読了日:04月22日 著者:瀬尾 まいこ


最後の祈り最後の祈り感想
薬丸岳さんのファンなので、サイン本をゲットして、さっそく読みました。ここ最近の薬丸さんの作品は、ミステリと言うよりは、加害者や被害者の心情などに重きを置いた作品が多いですが、この作品もそうでした。贖罪がテーマのものが続いていますね。薬丸さんの作品を読むと、加害者に同情して、最後は赦してしまいたくなりますが、本当に被害者側の立場になったら、きっと赦す気になんて絶対ならないんだろうな…。今回は教誨師の保阪の立場もすごく複雑で、辛くて難しい物語でした。教誨師や刑務官という職業の過酷さも伝わってきました。
読了日:04月26日 著者:薬丸 岳

https://www.mushikoblog.com/saigono-inori/


ロスト・ケア (光文社文庫)ロスト・ケア (光文社文庫)感想
Audibleにて。映画を観たくて予告編を観てしまったので、盛大なネタバレを喰らった状態で聴きました(笑)ミステリーとしての楽しみ方はできませんでしたが、それでもいい作品だと思いました。日本の高齢化社会や介護業界の過酷な状況について改めて考えさせられました。介護問題は、この日本では誰にでも降りかかってくる問題だと思います。施設に入ったらいいと思っても、それには膨大なお金がかかる。自宅介護はあらゆる負担がすごい。犯人のしたことはもちろん正当化されるべきではないかもしれないけど、救われた人がいるのは事実。
読了日:04月28日 著者:葉真中 顕


◎4月のイチオシ作品

いやぁー、これは難しいですよー!?

はっきり言って、全部おすすめって言いたいくらい、どれも素晴らしい作品ばかりでした!!

Audibleって新刊の作品はあまり配信されていなくて、話題になった作品がたくさん配信されていると思うんですよね。

なので、人気の名作ばっかりが揃っているみたいで、どれも素晴らしかったです!!

「同志少女よ、敵を撃て」と「罪の声」は手元に本があるので、聴いているうちに展開が気になってほとんどの部分を読んでしまいましたが(笑)

でも、Audileも本当にいいですよ。より感情移入できるというか。

ミステリーなどの先が気になる作品は、せっかちなのでゆっくり聴くということは性格的に難しいのですが、芸術に関する作品とか、人間ドラマ系の作品なんかは、聴いた方がより楽しめる気もします。

むし子
むし子

以上、4月に読んだ本をまとめました!
読んでみたいと思う本はありましたか?
参考になれば嬉しいです!!

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